気になる本とモノ
2007
獣の奏者 闘蛇編
評価☆☆☆☆ 上橋菜穂子 講談社
夏休みの課題図書以外にも
夏休みの読書感想文向けの本はあるけれど、
この本もお勧めの一つ。
本屋さんでも平積みされていますね。
「闘蛇編」「王獣編」
と2冊に分かれているから
分量が多くてちょっと大変だけど、
山場もしっかりしていて、いい本です。
しかも、恋愛とか魔術に逃げ込まずに
最低限の不思議で大きな謎を生み出しています。
生物と暮らす、という不思議を
これだけ大きな話に仕立て上げてしまうなんて、
こんなファンタジーがようやく日本でも
誕生できるようになったんだ、と絶賛。
◆「獣の奏者 闘蛇編」のあらすじ
獣ノ医術師の母が、戦闘用の巨大な闘蛇、
牙をしなせてしまったことから、
闘蛇に襲われて、処刑された。
しかし、その時、闘蛇を指笛で動かす操者の技を利用して、
巻き込まれそうになった娘エリンを救い出す。
エリンは、蜂飼いのジョウンに助けられ、
育てられるうちに、偶然、山中で闘蛇を食べる王獣と出会う。
実は、ジョウンは隠遁する前は
王国の有名な教授だったのだ。
その教えをすくすく吸収するエリンだが、
体調を崩したジョウンの意見も取り入れて、
エリンは王獣を養うカザルム王獣保護場に入舎。
ここで、光(リラン)という傷ついた王獣を
エリンが担当して育てることになった…
と展開していきます。
上巻の「闘蛇編」だけでも十分ですが、
本当に気になるところで
思わせぶりに終わるんですよ。
2冊同時に買っておくことを
強くおすすめします。
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◆「獣の奏者 闘蛇編」の気になる言葉
30 霧の民 アーリョ ほんとうはアォー・ロゥ 「戒め(アォー)」を「守る者(ロゥ)」という意味なのよ
78 涙は哀しみの汁だ。涙がどんどん流れでれば、哀しみも、それだけ減っていくってもんさ。おまえを、そんなに哀しませていることも、やがては、忘れられるようになる