気になる本とモノ
2007
獣の奏者 王獣編
評価☆☆☆☆ 上橋菜穂子 講談社
獣の奏者の下巻「王獣編」です。
上巻の「闘蛇編」のラストから、
すっと続いてくるので、
読み続けやすい感じ。
主人公の少女、エリンの成長が
主軸だった「闘蛇編」と比べると、
急にスケールが大きくなります。
「奏者」という聞きなれない言葉も
実は、あることの同音語なんですね。
ところで、
王獣の具体像はあまりないんですが、
蛇を食べる鳥、というと、
孔雀明王につなかっだクジャクがモデル?
そんなことが気になりつつ、
一気に大戦争にいきますよ。
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◆「獣の奏者 王獣編」の気になる言葉
115 獣と意思を通じること-獣に己の意思を伝え、獣を動かすこと。それを母の一族は〈操者の技〉と呼ぶのだろう。そして、それを、大罪と考えているのだ。
147 王獣と闘蛇だけは、人に飼われると子を産まなくなる。-この謎が大きな伏線でした。
155 よい教導師は、迷いのない教導師ではない。迷いを心に持ちながらも、常に学んでいく姿勢を子どもたちに伝えられる教導師こそ、よい教導師なのだ
◆「獣の奏者 王獣編」のあらすじ
王獣リランを自然の状態で育てることに成功したエリン。
だが、王獣を自然状態で育てることを避けた王獣規範が
ある理由に悩む一方、リランの動きでケガをしてしまう。
そんな時、傷ついた王獣エクが運び込まれたが、
エリンとエクの間に子どもが生まれてしまう。
そのころ、王国のハルミヤ真王が王獣の子を見に来るが、
途中で大公を装った闘蛇の群に襲われ、
やむなくリランに乗ってエリンは闘蛇を退治する。
襲撃の後遺症でなくなった王の後継に、
娘セィミヤがなるが、
王の甥ダミヤが王位簒奪をたくらむ。
ハルミヤ殺しの疑いを受けた大公と長男シュナンは
闘蛇の群を率いて、王と対面する。
リランにのったエリンが闘蛇を従え、
2人が王に従おうとしたとき、大公の次男ヌガンの闘蛇が突然攻め寄せる。
王の堅き楯(セ・ザン)のイアルが巻き込まれ、
リランに乗せてイアルを救ったエリン。
しかし、エリンのピンチのときに、
再びリランがやってきて、エリンを優しくくわえて飛び立つのだった。