気になる本とモノ
2007
鹿男あをによし
感想☆☆☆ 万城目学 幻冬舎
「鴨川ホルモー」に続く万城目学さん。
京都を舞台にした「鴨川」から
奈良を舞台にした「鹿男あをによし」へ。
でも、テイストは同じような感じですね。
古都に隠された秘密の話がメーンなんですが、
今回のバックの話は古くて大きいよ。
なんと言ったって、
日本で最も有名な歴史上の女の人ですから。
歴史好きならわくわくする伏線でして、
このあたりの丁寧さは鴨川ホルモー以上に
上手になっていますね。
ユーモアあふれた女子高で一気に広がる話ですから
奈良といっても、大仏+鹿しかしらない人でも
分かるんですが、やっぱり奈良を知っているほうが楽しめそう。
奈良に行くなら、近鉄線で平城京跡を通っていくと、
一段と深くこの本が楽しめますね。
行基像とか、ちょこちょこした描写まで
じっくり楽しめるはずです。
いきたいなあ、奈良。
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◆「鹿男あをによし」の気になる言葉
マイシカが一番なんですが、実は伏線でして
11 奈良というものをイメージしようと努めたが、教授の言う鹿と大仏以外、何も浮かんでこない。
◆「鹿男あをによし」のあらすじ
大学院で助手とけんかしたために、
教授から追い出されるようにして「おれ」が赴任した奈良女学館高校。
1年A組の担任になったが、遅刻してきた「堀田イト」とそりが合わず、
同僚の重さんや小治田教頭(リチャード)になぐさめるはめに。
ある日、突然、鹿から話しかけられ、
京都から「サンカク」をあずかって来い、といわれる。
「おれ」は印として鹿男にされてしまうが、
ほかの人には見えないようで、鹿の言いなりになる。
実は、姉妹校の京都、大阪、奈良の三校で対抗する体育祭「大和杯」。
その剣道部の優勝の証にサンカクと呼ばれるものがあった。
「おれ」剣道部の顧問となり、堀田も入部して、無事優勝するが、
そのサンカクは鹿が求めたものではなかった。
そして、そのサンカクに堀田も絡んでいて
必死になって優勝を目指していたのだ。
実は、ネズミの手先となっていたリチャードが奪っていたのだった。
それこそ、あの三角×××(さすがにこれは伏せます)。
奈良の鹿、京都のキツネ、大阪のネズミは卑弥呼からこの三角を使って、
地震を起こすなまずを押さえているようにたのまれていたのだ。
サンカクがないと、想像を絶する大地震が起きてしまう危機が。
ようやく取り戻した三角で無事、儀式を終えると、
鹿から願い事をひとつかなえると言われるが、
おれは堀田を人間の姿にしてもらう。
奈良を去ることになった僕は、
別れ際に堀田からキスされるが、
それこそ印の消し方だったからだ。