気になる本とモノ
2007
世界一おいしい火山の本
評価 ☆☆☆☆ 林信太郎 小峰書店
「チョコやココアで噴火実験」というタイトルどおり、
チョコやココア、牛乳を使った実験で
火山の活動が分かる、という展開。
仕組みとしては、マグマが動く本物の火山と、
チョコが動くお菓子実験でもおなじものだとか。
夏休みの感想文を書くだけでなく、
親子で実験もできてしまうお得な本ですね。
「世界一おいしい火山の本」というタイトルは、
ウソではない、レベルの高さですね。
◆「世界一おいしい火山の本」のあらすじ
火山の基本的な説明の後、
さまざまな噴火を実験していきます。
まずは、噴火のすごさをガメラで紹介。、
渋谷の街を壊したガメラと比べてみると、
鹿児島の桜島の大火砕流の一〇〇万分の一、
という説明からして、子どもでも分かりますね。
そして、火山の爆発はコーラ、
流れる溶岩はソースで、盛り上がる溶岩はマヨネーズ。
さらに、盛り上がってくる溶岩ドームは
ココアの下から溶かしたチョコレートで盛り上げて、
実験後はトリュフチョコになる、というおいしいおまけつき。
さらに、火山の跡の穴、カルデラは
コンデンスミルクの上にココアを撒いて、
最後にミルクをしたから抜く、とできるそう。
こういう実験を楽しめる子ども達がうらやましいですね。
◆「世界一おいしい火山の本」の気になる言葉
0 宝石になったカンラン石。カンラン石は、火山から噴きだすものに入っている鉱物である。宝石として加工されたものは、ペリドートと呼ばれる。
5 キッチンで料理を作っていると、噴火で起きることとそっくりのことが、目の前で起こることがある。天ぷらを揚げているときに、まちがって水を一滴油に入れてしまうと、マグマ水蒸気爆発に似た小爆発が起こる。
18 日本列島に火山が多いのも、もとをたどると、プレートが運動することに原因がある
24 ガメラはすさまじく渋谷を破壊したが、その破壊の範囲は、小規模噴火のなかでもかなり小さめのものと同じくらいでしかない。-破壊された面積を計算すると、雲仙普賢岳の火砕流のおよそ三〇〇分の一、入戸火砕流の一〇〇万分の一以下でしかない。
29 飛ぶところを見ていさえすれば、火山弾はかんたんによけることができる
45 シリカという成分が、じつはマグマのねばりけを決めているといっていい。シリカが多ければ多いほど、ねばりけが強くなる。
65 火砕流には「高速」「高温」「高破壊力」という三つの特徴がある。
67 火砕流-上のほうの部分である「火災サージ」-その温度は三五〇℃。天ぷらやトンカツを揚げるときの油の温度が一八〇℃。クッキーやローストビーフを焼くときの温度が一九〇℃くらいである
101 富士山が噴火した場合、その火山灰は東京にまで降る可能性がある。どのくらいの被害が出るか、実際に計算した人がいる。推定被害総額が二兆五千億円。
103 火山のまわりはとても住みやすい。-第一に、火山のまわりには平らな土地が多い。第二に、火山のまわりには水が豊富である。第三に、火山のまわりには温泉が多い。第四に、火山があると風景が良い。
おいしい実験がしたくなる度 ☆☆☆
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