気になる本とモノ
2007
評価 ☆☆☆ 三浦 博史 青春出版社
参議院選挙でお役立ち度 ☆☆☆
“選挙参謀”という仕事をしている著者が
選挙の裏側を少しだけ紹介しています。
小選挙区制になって変わったこと、
選挙にかかるお金など、選挙を手伝う人、
選挙に興味がある人、
そして選挙に出る人にはとっても勉強になりますね。
でも、一番大切なことは熱い思いの
“熱伝導”なんですね。
そして、一番、熱を伝えられた政治家は…
◆「舞台ウラの選挙」のあらすじ
「選挙にはいくらかかるのか」から始まって
「票はこうして集まる」
「そのお金は“誰が”出す?」
「PR上手が心をつかむ」
と技術的な話が続きます。
裏話的にはこっちのほうが面白いんですが、
やっぱり大切なのは心。
「人を動かす決め手とは」
「こんな人が最後に勝つ」
と後半に心を打つ姿勢が出てきます。
そして、一番心を打った人として、
田中角栄元総理が出てきます。
最強の後援会、超山会の原点は
有権者の思いの強さなんですね。
◆「舞台ウラの選挙」の気になる言葉
23 供託金といわれるもので、最も金額が高いのが国政の比例区選挙の六〇〇万円、最も安いのが政令指定都市以外の市議会議員選挙と東京二三区の区会議会議員の三〇万円
31 告示日までの半年間は、投票依頼の選挙運動は禁止されている。-後援会入会勧誘活動といい、告示日前日まで合法的に行えるものだ
35 市議会議員の選挙費用の全国平均は、公費負担を除いた持ち出しで約二〇〇万円という数字もある
53 中選挙区では自民・保守系の候補が乱立することで、選挙費用の相場がおのずと上がっていく形になっていたのである
59 選挙でいうサードレールとは、決して選挙運動で触れてはいけないイシューを指すようになった。サードレールの主なイシューはせいぜい五~六くらいしかないのだが、その第一が年金なのだ。-年金を選挙の争点にすると自らのクビを絞めてしまうから、選挙戦のイシューにはしないのである
73 知事選でも小口の個人献金の収入を増やしていくという傾向が、だんだん強くなってきている。
76 (落選後)秤量攻めに耐えられる候補者は、奥さんが理解者だったり、奥さんの実家がそこそこ資産を持っていたりする人に多い。
83 政党助成金は選挙ブローカーを断る絶好の口実にもなった。
107 候補者と有権者との間に意識のギャップがないかどうか検索するのである。それによって、ギャップのない、あるいは少ないイシューは外し、ギャップの大きなものだけを浮かび上がらせて、争点にするわけだ
110 女性は違う。ブレる人が大嫌いなのだ。なぜ発言がブレたのかを理解する前に、ブレたこと自体に嫌悪感を持つ人が多い。
149 ウグイス嬢ではなく、若い男性の運動員前に出したほうがプラスになるケースもあるはずだ。-“カラスボーイ”
153 選挙のやり方では、風土よりもと都市部と軍部による違いのほうが大きい。
191 越山会会員は、それぞれ角栄にまつわる事実に基づいたエピソードを持っているから、他人からどういわれようと、「自分は終生、田中先生を支持していく」と力強く主張することができる
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