気になる本とモノ
2007
裁判官の爆笑お言葉集
感想☆☆☆☆ 長嶺超輝 幻冬舎
普通の人にはまず縁がない裁判所。
その中で罪の判決を下す裁判官の
意外な言葉を集めたベストセラーです。
ようやく読みましたが、
「爆笑」というよりも「クスッ」という感じ。
意外に人情味溢れる裁判官の言葉が
並ぶ良書でしたね。
◆「裁判官の爆笑お言葉集」のあらすじ
「死刑か無期か?」
など8章に分けて紹介しています。
右側にお言葉と、裁判官の略歴、
左側には一ページの開設がつく構成です。
見開きでどんどん読めるので、
裁判の言葉をさらっと理解できてしまう。
お堅いイメージだっだ裁判所の言葉から
こういうソフトな内容の新書が生まれるのは、
本当にアイデアの勝利だなあ、と思います。
実際に、裁判を傍聴していると、
こんな言葉に出会えることは滅多にないので、
続編も期待したいところですね。
(傍聴した経験から考えると、
裁判官、弁護士、検察官と比べると、
一番言葉が少ないのが裁判官では??)
◆「裁判官の爆笑お言葉集」の気になる言葉
21 1998年6月に最高検察庁が出した通達では、死刑事件に準ずるほど悪質なものを「マル特無期事件」と位置づけ、刑務所長などから仮釈放の相談を受けたら、できるだけ「不許可」の意見書を出すよう全国の検察庁に求めました。
32 しっかり起きてなさい。また机のところで頭打つぞ 松本智津夫被告のオウム裁判で。
46 刑務所に入りたいのなら、放火のような重大な犯罪でなくて、窃盗とか他にも… 犯罪を勧めてしまいました
70 多少厳しいことを言いましたが、私は犯罪をやめさせるのが仕事ですから
80 罪は万死に値する …でも、執行猶予つきの判決だったとか。
86 いつもの有罪主文なら、出だしは「被告人を」になるわけですが、川口裁判長が声を張り上げて「被告人は」とおっしゃったとき、居合わせた全員がハッとしたように見えました。
194 私があなたに判決をするのは3回目です…不思議なめぐり合わせですね。…裁判官と被告人が3度も重なったことがあったそうです