気になる本とモノ
2007
包帯クラブ
評価☆☆☆ 天童荒太 筑摩書房・ちくまプリマー新書
変な名前のクラブですが、
天童さんらしい、心の傷の話です。
心の傷を負った場所に
白い包帯を巻いてあげることで、
心の気持ちを癒してあげたい、という
優しさが元にあるクラブなんですね。
新書の小説なので、さらっと読めますし、
映画「包帯クラブ」も8月に公開なので、
手にしやすい本ですね。
高校生が主人公だし、
実は感想文向けではないか、という気もします。
ちなみに、映画は
井出野辰郎・ディノ役の柳楽優弥さん
騎馬笑美子・ワラ役の石原さとみさん
丹沢志緒美・タンシオ役の貫地谷しほりさん
らが出演していて、
個性的だけど、さわやかな感じが期待できそう。
◆「包帯クラブ」のあらすじ
関東のわびしい中都市、久遠で
高校2年生のワラは病院の屋上のフェンスを乗り越える。
そこで、ディノと出会い、
ディノは包帯を病院のフェンスに蒔き付ける。
さらに、彼氏と別れ、落ち込むタンシオ、
タンシオのメル友のギモ、ワラとディノの4人で
傷ついた場所や物に包帯を巻く「包帯クラブ」を立ち上げ、
HPで候補を募集していく。
オウンゴールをしてしまったゴールポスト、
悪口をいわれた美容院など街中に包帯が増えていく。
一方で、ある密告によって、
学校、警察でも包帯が問題になり、次々に取り去られていく。
ディノが病院に入る原因になった事件の真相と、
密告の理由を探し出していきます。
そして
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◆「包帯クラブ」の気になる言葉
17 父親はもちろん母も、自分以外のだれかのために人生を犠牲にしたり、欲求を我慢したりすることが、いやだったんじゃないかって気がする。
23 ここの、あそこのと、決まった場所に属している住人になりたくない想いが、わたしたちにはあった…いろんな方言を使う「方言クラブ」ということをしている理由として。こういうところが子供っぽいですね。
37 内心では、自分たちが出口のない穴へ押しやられつつある感覚に、息が苦しくなる。
63 いろんことで傷ついている人がいる。その傷を受けた場所へ行き、包帯を巻く