気になる本とモノ
2007
真景累ヶ淵
感想☆☆☆ 三遊亭円朝 岩波文庫
映画「怪談」の原作「真景累ヶ淵」。
あまり知らなかった落語なんですが、
読んでみると、怨みの場面続々です。
こんなに次々と亡くなる人が現れる話が
あったとは、まったく知りませんでした。
しかも、亡くなる場面の雰囲気がよく似て…。
雨が降り出してくると…
あぶないですよ。
映画では、黒木瞳さんらの妖艶な演技が注目されているようですが、実はすごい愛なのかも、という展開です。
◆「真景累ヶ淵」のあらすじ
貧乏旗本の深見新左衛門が酔った勢いで、
皆川宋悦という高利貸しの鍼医を切り捨てたことから
宋悦の二人娘と新左衛門の二人息子の
深い因縁がはじまる。
長男の新五郎は妹のお園と出会い、
ふとしたことで鎌で殺してしまう。
その後、弟の新吉は
姉で師匠の豊志賀と深い関係になるが、
豊志賀の顔が変わってきた頃から
冷たい関係になり、
ついて豊志賀は「今後の妻七代にたたる」
と言い残して死んでしまう。
そして、その後、新吉が知り合った女たち、
お久、お累、お賤は皆、悲惨な最期に…
一方、話が変わって、
惣右衛門が救った山倉富五郎に討たれたので、
妻のお隅が敵をとりにいくが、剣術家、安田一角の返り討ちに会う
しかし、息子の惣次郎が力士、
花車重吉の手助けを得て安田一角を討ち取る
という敵討ちの話もありますが、
これは映画ではあまり出ていないようで。
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2007
怪談 牡丹燈籠
感想☆☆☆ 三遊亭円朝 岩波文庫
黒木瞳さんと尾上菊之助の映画「怪談」が公開
されましたが、「怪談」と言えば、
「四谷怪談」か「牡丹燈籠」と思わせる中、
実は「真景累ケ淵」なんてマイナーな話だったんですね。
とりあえず、「牡丹燈籠」から読んでみましたが、
怖い場面はかなり限られていました。
ただ、牡丹の模様の燈籠を灯して、
夜な夜な通ってくるという話は
やっぱり盛り上がりますね。
また、敵討ちの話もセットになっていまして、
牡丹燈籠をもった女性の幽霊の話、
とだけ思っていると、
実は「牡丹燈籠」の半分くらいしか
読んでないことになってしまうんですね。
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◆「牡丹燈籠」のあらすじ
飯島平左衛門は酔って絡んできた黒川孝蔵を切り捨てる。
その飯島の一人娘、お露と女中のお米は、
萩原新三郎に焦がれて、死んでしまう。
気づいた新三郎は良石和尚から受けたお札を貼り、
海音如来の守りをつけている。
しかし、新三郎の家来の伴蔵と妻のよねが
幽霊からの金に目が眩んで裏切りお札をはがされ、
新三郎は死んでしまった。
一方、平左衛門は黒川の息子、孝助を雇うが、
孝助は親の敵と知らない。
平左衛門の妾、お国はとなりの次男、源次郎と浮気をしており、
平左衛門を殺そうとするが、孝助が邪魔をする。
孝助を他家の養子にして追い出そうとした国と源次郎だが、
孝助は婿入りの前日、お国を訪れる源次郎をしとめようとして、
誤って源次郎を刺してしまう。
敵を討たれるつもりであった平左衛門は孝助を許し、
国と源次郎を成敗しようとするが、
傷が重く平左衛門は命を失う。
しかし、孝助はお国と源次郎をうち、
一方で伴蔵とよねも成敗される。
◆「牡丹燈籠」の気になる言葉
60 カラコンカラコンと珍しく下駄の音をさせて
73 向こうが曲がって来れば素直に行く事は出来まい、それだからこそそこを避けて通るようにすると広いところへ出られるものだ
79 人は生きている内は陽気盛んにして正しく清く、死ねば陰気盛んにして邪に穢れるものだ、それゆえ幽霊と共に偕老同穴の契りを結べば、たとえ百歳の長寿を保つ命もそのために清血を減らし、必ず死ぬるものだ
83 大きな角塔婆があって、その前に牡丹の花の綺麗な灯篭が雨ざらしになってありまして